爬虫類の病院情報.com

全国 > 症状から調べる > カエルの皮膚が赤くなる・体を起こせない(壺菌症)

カエルの皮膚が赤くなる・体を起こせない(壺菌症)

カエルの体の一部が赤くなる、姿勢がおかしい、ひっくり返ったまま起き上がれないといった様子は、 Batrachochytrium dendrobatidis(Bd)という真菌による壺菌症で報告されている所見と重なります。 飼育下のカエルで実際に起きた発生記録と飼育コロニーの調査をもとに、 報告されている症状・原因・受診の目安をまとめました。

文献 3 本更新

診断や治療を提供するものではありません。

ここに書いてあるのは、文献に報告されている内容の要約です。 実際の診断・治療は、必ず動物病院で受けてください。

要点

体の一部が赤くなる、姿勢がおかしい、ひっくり返ったまま起き上がれない、といった様子は、 Batrachochytrium dendrobatidis(Bd)という真菌による壺菌症で報告されている所見と重なります[1]。

見た目に目立った症状がなくても、検査でだけ感染が確認される場合があると報告されており[1]、 症状の有無だけで安心はできません。

世界的に両生類の個体数減少の一因とされている病気で[3]、 様子を見て自然に治ることを期待せず、早めの受診が勧められます。

通常の姿勢のイメージ図

通常の姿勢

ひっくり返ったまま起き上がれない状態のイメージ図

ひっくり返ったまま起き上がれない状態

イメージ図。実際の個体の見え方には個体差があります。

どんな症状か

飼育下のオーストラリアアマガエル(Litoria caerulea)13匹で発生が確認された記録では、 次の経過が報告されています[1]。

時点 姿勢・皮膚の変化が見られた個体 検査で陽性だった個体
感染が疑われた時点(野外由来個体を屋外飼育に移してから約3か月後) 13匹中3匹(姿勢の異常、お腹側の赤み) 13匹中5匹
1回目の加温(平均約30℃、開始から28日目の検査) 見た目には症状なし 13匹中7匹
別の飼育室に移して行った2回目の加温(約31℃・約4週間)後 見た目には症状なし 13匹中0匹(全例で陰性化)
通常の飼育温度に戻してから1か月後 13匹中3匹(お腹側の赤みなど) 13匹中4匹(再び陽性)

いったん全例が陰性になったあとも、通常温度に戻すと一部の個体で再び陽性になっており、見た目の症状が無い時期にも検査だけが陽性になることがあると報告されています[1]。

別の飼育コロニーで発生した際には、42匹中6匹が死亡したと報告されています[2]。

この病気にかかった両生類の集団では、報告によって幅があるものの、30〜90%という高い死亡率が記録された例もあるとされています[3]。

考えられる原因

Batrachochytrium dendrobatidis(Bd)という真菌(カビの一種)への感染が原因として報告されています[1][3]。

原因がはっきりしない場合もあり、飼い方のどこか一つが悪かったと決めつけられる病気ではありません。

家庭でできること

診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。

そのうえで、一般的な健康管理として次のことが助けになる可能性があると考えられています[1]。

  • 種に応じた適切な温度を保ち、飼育設備の中に温度が上がりにくい場所ができないよう気をつける
    PR 温度計・サーモスタット:楽天Amazon
  • 新しく迎えた個体は、しばらく既存の個体と分けて様子を見る
    PR 隔離用プラケース:楽天Amazon
  • 水槽や飼育用品を清潔に保ち、複数飼育している場合は個体ごとに洗浄・消毒する
    PR 爬虫類・両生類用の消毒剤:楽天Amazon

高い温度で菌の増殖を抑える方法が報告されていますが[1]、専門的な設備と継続的な温度管理・検査を行った記録でも、十分な効果を得るのは容易ではなかったとされています[1]。家庭で温度を上げるだけの対応で治療が完了すると考えないでください。

受診の目安

今日中に受診を検討してください

  • 体の一部に急な赤み・変色が広がっている
  • ひっくり返ったまま自力で起き上がれない、体を起こす反応が鈍い

数日のうちに受診を検討してください

  • 皮膚の色や質感がいつもと違う状態が続いている
  • 新しく迎えた個体、あるいは複数飼育している場合に、1匹にでも皮膚の色や質感の変化が見られる

検査が一度陰性になっても、その後の観察を続けることが勧められています[1]。

よくある質問

カエルの皮膚が赤い、色が変わっているのは壺菌症ですか

飼育下で発生が確認された記録では、13匹中3匹に姿勢の異常やお腹側の赤みが見られ、 壺菌症に矛盾しない所見として報告されています[1]。ただし皮膚の色や状態の変化には 他の原因も考えられ、見た目だけで壺菌症と判断することはできません。 気になる変化が続く場合は、獣医師に相談することが勧められます。

検査で陰性なら、もう大丈夫ですか

同じ記録では、加温によっていったん検査が陰性になった個体でも、 通常の飼育温度に戻してから1か月後に13匹中4匹が再び陽性になったと報告されています[1]。 検査が一度陰性になったことは、その後も感染していないことを保証しないとされています。

温度を上げれば治りますか

高い温度で菌の増殖を抑える方法が報告されていますが[1]、同じ記録では、 飼育設備の一部で十分に温度が上がっていなかったことなどから、 加温を続けても検査が陽性のまま続いた期間があったとされています[1]。 温度の調整だけで治療が完了すると考えず、必ず獣医師の判断のもとで対応してください。

根拠にした文献

  1. Holmes ML, Shine R, Waddle AW. (2024). Spontaneous reoccurrence of Batrachochytrium dendrobatidis infections in Australian green tree frogs (Litoria caerulea) following apparently successful heat therapy: Case report. Veterinary Research Communications, 48(5): 3229-3237。DOI: 10.1007/s11259-024-10449-2CC BY
  2. Upton R, Ibbotson A, Klop-Toker K, Campbell L, Nolan N, Jobling P, Mahony M, Clulow J, Calatayud NE, Callen A. (2026). Chytridiomycosis infection and heat compromise sperm quality in a threatened frog. The Journal of Experimental Biology, 229(15): jeb252760。DOI: 10.1242/jeb.252760CC BY
  3. Kurnaz M. (2026). Physiological responses and adaptive mechanisms of amphibians and reptiles to multiple interacting environmental stressors: an integrative review. Frontiers in Physiology, 17: 1785483。DOI: 10.3389/fphys.2026.1785483CC BY

両生類の他の症状も見る

カエルを診てもらえる病院を探す

🐸 両生類を診ると書いている動物病院(全国)

都道府県から動物病院を探す

爬虫類を診ると書いている動物病院を、都道府県ごとに載せています。行く前に電話で確かめてください。

北海道北海道20

東北青森県5岩手県2宮城県5秋田県4山形県3福島県2

関東茨城県8栃木県4群馬県2埼玉県18千葉県6東京都29神奈川県17

中部新潟県2富山県2石川県2福井県1山梨県2長野県3岐阜県3静岡県5愛知県17

近畿三重県3滋賀県1京都府7大阪府12兵庫県9奈良県4和歌山県2

中国鳥取県2島根県2岡山県1広島県2山口県5

四国徳島県1香川県愛媛県2高知県1

九州・沖縄福岡県7佐賀県1長崎県4熊本県1大分県2宮崎県3鹿児島県4沖縄県3

公開日 /更新日