要点
カエルの皮膚に病変や潰瘍ができる、全身に出血がみられる、元気や食欲が落ちるといった様子は、レッドレッグ症候群と呼ばれる細菌性の全身感染で報告されている症状と重なります[2][3]。皮膚が赤くなる、むくむといった見た目の変化も、この病気の説明として広く用いられています[2]。
Aeromonas hydrophilaという細菌が原因として古くから報告されていますが[2]、実際にどの菌・どのウイルスが引き金になっているかは、症例によって特定できていないことも報告されています[3]。
似た症状として、腹腔内に体液がたまる浮腫症候群でも同じ細菌が検出されることがあると報告されており[1]、赤み(レッドレッグ症候群)とむくみ(浮腫症候群)は、別のものとして語られることもあれば、重なって語られることもあります。
どんな症状か
Aeromonas hydrophilaという細菌への感染は、敗血症・むくみ・主要な臓器の障害につながると報告されています[2]。
Aeromonas hydrophilaをカエル(Rana amurensis)に人為的に感染させた実験では、感染後168時間までの間に、肝臓・肺・腎臓・皮膚・筋肉・胃で組織の損傷が報告されています[2]。皮膚では、表皮がはがれ、毛細血管がうっ血し、組織中に赤血球が多くみられる変化が報告されました[2]。これは実験的に感染させた結果であり、自然にかかった場合の頻度を示すものではありません。
英国で1980年代後半に報告されたカエル(Rana temporaria)の大量死では、皮膚の病変・潰瘍・全身の出血がみられた個体から、ラナウイルスとAeromonas hydrophilaの両方が検出された例があり、レッドレッグ症候群の症状と一致する可能性があると報告されています[3]。
なお、飼育下のカエル(Gastrotheca属)の腹腔内にたまった体液を調べた別の調査でも、Aeromonas hydrophila・Pseudomonas属・Streptococcus属が、レッドレッグ症候群の原因として本文中で言及されています[1]。ただしこの調査自体が対象にしたのは腹腔内に体液がたまる「浮腫症候群」であり、レッドレッグ症候群そのものの症例ではありません。
考えられる原因
次のようなことが報告されています。
- Aeromonas hydrophila、Pseudomonas属、Streptococcus属など、複数の細菌がレッドレッグ症候群の原因として報告されている[1]
- Aeromonas hydrophilaがカエルのレッドレッグ症候群の原因として初めて報告されたのは1891年で、進行が速く、感染力が強く、致死率が高い病気の一つとされている[2]
- 細菌感染だけでなく、ラナウイルスなどのウイルス感染が同時に関わっている例も報告されており、どちらが主な原因かは特定されていないことがある[3]
原因を一つに決めつけられる病気ではないと報告されています。
家庭でできること
診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。
- 水を清潔に保ち、汚れた水に長時間触れさせない
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- 新しく迎えた個体は、しばらく既存の個体と分けて様子を見る
PR 隔離用プラケース:楽天Amazon - 1匹に皮膚の赤みなどの様子が見られたら、他の個体も含めて注意して観察する
これらは一般的な飼育環境の管理であり、すでに発症している個体を治すものではありません。
受診の目安
今日中に受診を検討してください
- お腹や脚の皮膚に、はっきりした赤みや内出血のようなものが広がっている
- 元気がなく、食欲もない状態が同時に見られる
- 多頭飼育していて、複数の個体に同時に様子の変化が見られる
数日のうちに受診を検討してください
- 皮膚にわずかな赤みがある程度で、元気や食欲は普段どおりに見える(進行が速いと報告されている病気のため、赤みが広がる・増える場合は「今日中」に切り替えてください[2])
- 皮膚の赤み以外に、体の一部が腫れている・むくんでいるように見える
Aeromonas hydrophilaは感染力が強いと報告されているため[2]、多頭飼育の場合は1匹に症状が出た時点で、他の個体も含めて相談することが勧められます。