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カエルの皮膚が赤くなる(レッドレッグ症候群)

カエルのお腹や脚の皮膚が赤くなる、元気や食欲が落ちるといった様子は、 レッドレッグ症候群として報告されている細菌性の全身感染の症状と重なります。 原因菌に関する報告や実験感染の報告をもとに、報告されている症状・原因・受診の目安をまとめました。

文献 3 本更新

診断や治療を提供するものではありません。

ここに書いてあるのは、文献に報告されている内容の要約です。 実際の診断・治療は、必ず動物病院で受けてください。

要点

カエルの皮膚に病変や潰瘍ができる、全身に出血がみられる、元気や食欲が落ちるといった様子は、レッドレッグ症候群と呼ばれる細菌性の全身感染で報告されている症状と重なります[2][3]。皮膚が赤くなる、むくむといった見た目の変化も、この病気の説明として広く用いられています[2]。

Aeromonas hydrophilaという細菌が原因として古くから報告されていますが[2]、実際にどの菌・どのウイルスが引き金になっているかは、症例によって特定できていないことも報告されています[3]。

似た症状として、腹腔内に体液がたまる浮腫症候群でも同じ細菌が検出されることがあると報告されており[1]、赤み(レッドレッグ症候群)とむくみ(浮腫症候群)は、別のものとして語られることもあれば、重なって語られることもあります。

皮膚の赤み・むくみ・潰瘍を説明するカエルの全身図
イメージ図。実際の個体の見え方には個体差があります。皮膚の赤み・むくみ・潰瘍を説明するため、全身の輪郭を示しています。

どんな症状か

Aeromonas hydrophilaという細菌への感染は、敗血症・むくみ・主要な臓器の障害につながると報告されています[2]。

Aeromonas hydrophilaをカエル(Rana amurensis)に人為的に感染させた実験では、感染後168時間までの間に、肝臓・肺・腎臓・皮膚・筋肉・胃で組織の損傷が報告されています[2]。皮膚では、表皮がはがれ、毛細血管がうっ血し、組織中に赤血球が多くみられる変化が報告されました[2]。これは実験的に感染させた結果であり、自然にかかった場合の頻度を示すものではありません。

英国で1980年代後半に報告されたカエル(Rana temporaria)の大量死では、皮膚の病変・潰瘍・全身の出血がみられた個体から、ラナウイルスとAeromonas hydrophilaの両方が検出された例があり、レッドレッグ症候群の症状と一致する可能性があると報告されています[3]。

なお、飼育下のカエル(Gastrotheca属)の腹腔内にたまった体液を調べた別の調査でも、Aeromonas hydrophila・Pseudomonas属・Streptococcus属が、レッドレッグ症候群の原因として本文中で言及されています[1]。ただしこの調査自体が対象にしたのは腹腔内に体液がたまる「浮腫症候群」であり、レッドレッグ症候群そのものの症例ではありません。

考えられる原因

次のようなことが報告されています。

原因を一つに決めつけられる病気ではないと報告されています。

家庭でできること

診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。

  • 水を清潔に保ち、汚れた水に長時間触れさせない
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  • 過密飼育を避け、個体どうしのストレスを減らす
  • 新しく迎えた個体は、しばらく既存の個体と分けて様子を見る
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  • 1匹に皮膚の赤みなどの様子が見られたら、他の個体も含めて注意して観察する

これらは一般的な飼育環境の管理であり、すでに発症している個体を治すものではありません。

受診の目安

今日中に受診を検討してください

  • お腹や脚の皮膚に、はっきりした赤みや内出血のようなものが広がっている
  • 元気がなく、食欲もない状態が同時に見られる
  • 多頭飼育していて、複数の個体に同時に様子の変化が見られる

数日のうちに受診を検討してください

  • 皮膚にわずかな赤みがある程度で、元気や食欲は普段どおりに見える(進行が速いと報告されている病気のため、赤みが広がる・増える場合は「今日中」に切り替えてください[2])
  • 皮膚の赤み以外に、体の一部が腫れている・むくんでいるように見える

Aeromonas hydrophilaは感染力が強いと報告されているため[2]、多頭飼育の場合は1匹に症状が出た時点で、他の個体も含めて相談することが勧められます。

よくある質問

お腹が赤いだけでもレッドレッグ症候群の可能性がありますか

カエルの皮膚が赤くなる症状は、Aeromonas hydrophila・Pseudomonas属・ Streptococcus属といった細菌による全身感染で報告されている症状と重なります[1]。 ただし、飼育下のカエルで腹腔内に体液がたまる浮腫症候群でも同じ細菌が 検出されることがあると報告されており[1]、赤みだけでなくむくみを 伴うこともあります。 見た目だけで区別できるものではなく、判断には獣医師の診察が必要です。

多頭飼育していて心配です。うつりますか

Aeromonas hydrophilaは、1891年に初めてカエルのレッドレッグ症候群の 原因として報告されて以来、進行が速く、感染力が強く、致死率が高い病気の 一つとされています[2]。感染力が強いと報告されていることから、 1匹に症状が出た場合は、他の個体も含めて様子を見ることが勧められます。

皮膚が赤くなる原因は細菌だけですか

英国で1980年代後半に起きたカエルの大量死では、細菌 (Aeromonas hydrophila)とウイルス(ラナウイルス)の両方が 同時に検出された例が報告されており、どちらが主な原因かは 特定されていません[3]。見た目の症状だけから、原因を一つに 決めつけることはできないと報告されています[3]。

根拠にした文献

  1. Oleas-Paz A, Santamaría-Naranjo AC, Rojas-Carrillo M, Merino-Viteri A, Genoy-Puerto A. (2019). Microbiological and cytological characterization of coelomic fluid from three captive endangered amphibian Gastrotheca species with edema syndrome: preliminary analysis. BMC Research Notes, 12: 807。DOI: 10.1186/s13104-019-4846-3CC BY
  2. Sun Y, Wu T, Chen Z, Ren H, Liu Y, Liu P, Zhao W. (2024). Effect of Aeromonas hydrophila infection on leptin receptor overlapping transcript expression in Rana amurensis. Animal Biotechnology, 35(1): 2410742。DOI: 10.1080/10495398.2024.2410742無料公開
  3. Herczeg D, Ujszegi J, Kásler A, Holly D, Hettyey A. (2021). Host–multiparasite interactions in amphibians: a review. Parasites & Vectors, 14: 296。DOI: 10.1186/s13071-021-04796-1CC BY

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