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ヘビの脱皮した皮が体に残る・目の膜が取れない(脱皮不全)

ヘビの脱皮した皮が一部残っている、目の周りの膜(眼鏡膜)がにごって 取れない、脱皮が長引いているときは、脱皮不全が報告されている症状と 重なります。組織学的な研究をもとに、報告されている症状・原因・ 受診の目安をまとめました。

文献 2 本更新

診断や治療を提供するものではありません。

ここに書いてあるのは、文献に報告されている内容の要約です。 実際の診断・治療は、必ず動物病院で受けてください。

要点

ヘビの脱皮した皮の一部が体に残っている、目の周りの膜(眼鏡膜)が にごったまま取れない、脱皮にいつもより時間がかかっている。

これらは、組織学的な研究で報告されている脱皮不全(ディセクディシス)の 症状と重なります[1]。

ヘビの目の周りの膜(眼鏡膜)に皮が残る様子のイメージ図
イメージ図。実際の個体の見え方には個体差があります。眼鏡膜(目を覆う膜)に皮が残る様子を示しています。

どんな症状か

ヘビ 60 頭を対象にした組織学的な後方視的研究では、次のような所見が 報告されています[1]。

この研究の対象はボア科・ナミヘビ科・コブラ科・ニシキヘビ科・クサリヘビ科の 5 科にわたり、脱皮不全が特定の種に限った問題ではないことがうかがえます[1]。

なお、この研究に提出された検体全体のうち、眼鏡膜の炎症または脱皮不全が 見られたのは4%だったと報告されています(脱皮不全単独の割合は 報告されていません)[1]。

考えられる原因

組織学的研究では、眼鏡膜の脱皮不全の原因として次のようなものが 考えられるとされています[1]。

進化生物学的な研究では、脱皮までの日数には種による違いがあり、 待ち伏せ型の捕食者や母性保護を行う種で傾向が異なると報告されています[2]。 ただしこれは孵化直後の初回脱皮の研究であり、成体の脱皮不全の原因を 直接説明するものではありません。

いずれにせよ、**個々の飼育環境で何が原因かを、当サイトが特定することは できません。**診断は必ず獣医師の判断によります。

家庭でできること

診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。

そのうえで、一般的な健康管理として次のことが助けになる可能性があると 考えられています。

  • 適切な湿度を保つ環境(脱皮しやすい湿った隠れ家など)を用意する
    PR 加湿できるシェルター:楽天Amazon
  • ケージ内にざらざらした素材(脱皮の補助になるもの)を置く
    PR 脱皮の補助になるレイアウト用品(流木・ざらざらした石):楽天Amazon
  • 体にダニのようなものが付いていないか、あわせて確認する

残った皮を無理に剥がそうとしたり、目の周りの膜を家庭で処置したりしないで ください。

受診の目安

今日中に受診を検討してください

  • 目の周りの膜が濁ったまま何度も脱皮不全を繰り返している
  • 皮膚に炎症や腫れを伴っている

数日のうちに受診を検討してください

  • 脱皮した皮の一部が体に残っている状態が続いている
  • 脱皮にいつもより時間がかかっている

よくある質問

目の周りの膜(眼鏡膜)が白く濁って取れないのですが

ヘビ 60 頭を対象にした組織学的研究では、13 頭に眼鏡膜(スペクタクル) の脱皮不全が確認され、うち 5 頭には炎症も伴っていたと報告されています[1]。 この研究では、原因として「ダニ寄生・他の皮膚炎・外傷・不適切な飼育・ 内臓疾患」が考えられるとしていますが、**どれが原因かを当サイトが 判断することはできません。**

脱皮にかかる日数の目安はありますか

102 種のヘビを対象にした研究では、孵化・出生後の初回の脱皮までの 日数は種によって幅があり、5〜17 日程度(標準的なパターン)が 全体の 71% を占めると報告されています[2]。**これは孵化・出生直後の 初回の脱皮についての研究であり、成体の定期的な脱皮にそのまま 当てはまるとは限りません。**

脱皮不全は放っておいても大丈夫ですか

眼鏡膜の脱皮不全は、慢性化すると角質の層が重なり、炎症を伴うことも あると報告されています[1]。**当サイトが軽重を判断することは できません**が、繰り返す・長引く脱皮不全は受診の対象になります。

根拠にした文献

  1. Da Silva MO, Bertelsen MF, Heegaard S, Garner MM. (2015). Ophidian Spectaculitis and Spectacular Dysecdysis: A Histologic Description. Veterinary Pathology, 52(6): 1220-1226。DOI: 10.1177/0300985815588605抄録のみ 抄録による記述です。
  2. Wagner C, Miller AK, Engelbrecht HM, Greene HW, Alexander GJ. (2023). When to shed? Patterns and drivers of time to first ecdysis in snakes. Ecology and Evolution, 13(8): e10364。DOI: 10.1002/ece3.10364CC BY

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