要点
口の中が腫れて炎症を起こしている、出血性の病変がある。
これらは、ヘビの口内炎(マウスロット)として文献に報告されている症状と重なります[2][4]。
原因は一つに決まっておらず、床材による外傷、細菌感染、ウイルス感染など複数のものが報告されています。見た目だけで原因を判断することはできません。
どんな症状か
米国で押収され検疫中だった 165 匹のクサリヘビ科・コブラ科のヘビを対象にサーペントウイルス(ニドウイルス)を調べた調査では、92 匹(56.0%)が陽性で、陽性個体の一部で削痩・行動や呼吸の異常・口内炎が報告されています[1]。
| 報告 | 対象 | 口内炎に関連する所見 |
|---|---|---|
| ルーマニアの野生由来のクサリヘビ属雑種 1 匹 | 体重減少・けいれん・頭部の腫れ | 出血性の口内炎。サルモネラ属・モルガネラ菌の混合感染を確認[2] |
| ブラジルで保護されたビルマニシキヘビ 1 匹 | 多剤耐性のアシネトバクター感染 | 肺炎と口内炎を発症し死亡[3] |
| コロンビアボア 5 匹 | 片側の吻先・上顎の腫れ | 全例で膿性肉芽腫性の口内炎と上顎の骨髄炎、3 例で病巣内に細菌を確認[4] |
いずれも報告された症例・調査の内容であり、すべてのヘビの口内炎がこれらと同じ経過をたどるとは限りません。
考えられる原因
文献で報告されている原因には、次のようなものがあります。
- テラリウムの床材(ウッドチップなど)による口の中の物理的な外傷[2]
- ケージの壁などへの繰り返しの擦れつけと関連づけて報告されている慢性的な外傷[4]
- 細菌感染(外傷に伴う二次感染、または単独の感染として)[2][3][4]
- サーペントウイルス(ニドウイルス)の感染[1]
外傷と細菌感染が重なって報告されている例もあり、口内炎は単独の原因というより、複数の要因が組み合わさって起こりうる症状として報告されています[2]。
家庭でできること
診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。
そのうえで、一般的な健康管理として次のことが助けになる可能性があると考えられています。
- 床材が口の中を傷つけるような刺激の強いものになっていないか、飼育環境を見直す[2]
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- 新しく迎えた個体は、しばらく既存の個体と分けて飼育し、様子を見る
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これらは一般的な健康管理であり、すでに口内炎を起こしている個体を治すものではありません。
受診の目安
今日中に受診を検討してください
- 口を開けたまま閉じられない、または呼吸が苦しそうにしている
- 口の中から出血している、あるいは強い腫れ・膿がある
数日のうちに受診を検討してください
- 口の中に赤み・腫れ・よだれの増加が見られる
- 食欲が無い状態が数日以上続いている、元気が無い
- 顔や上顎に普段と違う膨らみがある
口内炎から肺炎や骨の炎症に進んだ例、死亡に至った例も報告されています[3][4]。軽い変化に見えても様子見を長引かせず、早めに相談することが勧められます。