要点
カメレオンの喉のあたりが腫れている、目のまわり(まぶた)が腫れている、 元気がない、食べない。
これらは、症例報告で報告されている心臓の病気の症状と重なることがあります[1]。
腎臓の病気は、動物園で飼育されているカメレオンの死亡原因の一つとしても 報告されています[2]。
どんな症状か
ベールカメレオン(Chamaeleo calyptratus)1 個体の症例報告では、 喉のあたりの腫れ(浮腫)と、左右のまぶたの腫れを主訴に受診したと 報告されています[1]。
検査では、次のことが報告されています[1]。
| 検査項目 | 結果 |
|---|---|
| 心臓の超音波検査 | 心室の肥大、心膜液の貯留、右房室弁の逆流 |
| 治療後の経過 | 3 週間後に弁の逆流が減少、4 週間後に心筋の肥大が軽減 |
| その後の経過 | 治療開始から約 2 か月後、食欲不振と活動性の低下がみられ、その後死亡 |
| 病理解剖 | 心臓の線維化、腎臓の糸球体の萎縮・線維化・尿細管の変化、白血球の浸潤 |
動物園で飼育されている 14 種・412 個体を対象にした調査では、次のことが 報告されています[2]。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 感染症以外の腎臓の病気による死亡 | 全体の 11.4% |
| 感染症以外の生殖器の病気による死亡(すべて雌) | 全体の 10.7% |
| 病理解剖で腎臓を調べた個体のうち、病変が見つかった割合 | 41.7% |
この調査は死亡した個体の記録をもとにしたものであり、生きている個体全体に そのままあてはまる割合ではありません。それでも、腎臓の病気がまれな できごとではないことを示しています[2]。
考えられる原因
症例報告・調査で報告されている、腎臓や心臓の負担につながりうる要因には 次のようなものがあります。
- 湿度の低い気候(動物園の調査で、動物園が所在する地域の平均湿度が 低いほど腎臓の病変が見つかる割合が高くなる傾向が報告されています。 これは個々のケージ内の湿度管理についての調査結果ではありません。 また、P = 0.05 という統計的な有意水準の境界にあたる数値であり、断定は できません)[2]
- 心臓の病気の治療に使われる薬を長く使い続けることが、腎臓の機能に 影響することがあると報告されています[1]
いずれも、飼い方のどこか一つが原因と断定できるものではありません。 原因がはっきりしないことは、飼い主の責任を意味しません。
家庭でできること
診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。
そのうえで、一般的な健康管理として次のことが助けになる可能性があると 考えられています。
- 飼育環境の湿度を、飼育している種にとって適切とされる範囲に保つ
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PR ミスティングシステム(自動噴霧):楽天Amazon - 普段の様子(食欲・活動性・体の見た目)を記録しておき、変化に早く気づけるようにする
これらはあくまで一般的な健康管理であり、すでに心臓や腎臓に病気がある 個体を治すものではありません。喉やまぶたの腫れに気づいたときに、 家庭で圧迫したり処置したりしないでください。
受診の目安
今日中に受診を検討してください
- 喉のあたり、または目のまわり(まぶた)が普段と違う形で腫れている
- 食欲が急になくなり、活動性が明らかに落ちている
数日のうちに受診を検討してください
- 食欲が無い状態、あるいは元気が無い状態が数日以上続いている
- 体重や食べ方に、はっきりしないが気になる変化がある
腫れが軽く見えても、症例報告では治療を続けても改善しきらず経過が 悪化した例が報告されています[1]。様子見を長引かせず、早めの受診が 勧められます。