要点
いきんでも何も出ない状態が続く、食欲が落ちた、総排泄腔から普段と違うものが出ている。
これらは、国内 101 例の調査で報告されている膀胱結石(尿路結石)の症状と重なります[1]。
無症状のまま見つかることもあるため、様子を見て自然に治ることを期待せず、早めの受診が勧められます。
どんな症状か
国内 3 施設で診断された 101 例の調査で報告されている症状は、次のとおりです[1]。
| 症状 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| いきみ(排泄しようとして出ない) | 54 例 | 53.4% |
| 食欲不振 | 45 例 | 44.5% |
| 元気が無い | 13 例 | 12.9% |
| 総排泄腔からの脱出 | 4 例 | 4.0% |
| 陰茎の脱出 | 2 例 | 2.0% |
| 削痩・下痢・鼻漏(それぞれ) | 1 例 | 1.0% |
| 症状が無いまま偶然見つかった | 12 例 | 11.8% |
米国の飼育下カメ・リクガメ 40 例を調べた報告でも、 飼育下のカメ・リクガメ 100 頭あたり 5.1 例の頻度で尿路結石が見つかったとされています[2]。
日本国内でも米国でも、まれな病気として片付けられる数ではありません。
考えられる原因
国内 101 例の調査で摘出された結石は、分析できた個体すべてで尿酸アンモニウムの結晶でした[1]。
原因については、次のようなものが仮説として挙げられています[1]。
- ビタミン A・D の不足
- 食餌中のカルシウムやタンパク質・シュウ酸の摂り過ぎ
- 慢性的な脱水
- 保温の不足
- 飲み水が得られない環境
ただし同じ調査では、適切とされる食餌を与えられていた個体でも結石が見つかっており、 食餌だけでは説明がつかないと報告されています[1]。
つまり、飼い方のどこか一つが悪かったと決めつけられる病気ではありません。
原因がはっきりしないことは、飼い主の責任を意味しません。
家庭でできること
診断や治療は家庭でできることではなく、必ず獣医師の判断が要ります。
そのうえで、一般的な健康管理として次のことが助けになる可能性があると考えられています[1]。
これらはあくまで一般的な健康管理であり、すでに結石ができている個体を治すものではありません。
いきんでいる個体に、無理に排泄させようと圧迫したり、家庭で処置をしたりしないでください。
受診の目安
今日中に受診を検討してください
- いきんでも何も出ない状態が続いている
- 総排泄腔や陰茎が、普段と違う形で外に出たままになっている
数日のうちに受診を検討してください
- 食欲が無い状態が数日以上続いている
- 元気が無い、動きが鈍いといった様子が普段と違うと感じる
- 普段と違う大きさ・硬さの塊が排泄物に混じることが繰り返される
症状が無くても、健康診断のタイミングで相談することも、上の調査が示すとおり意味があります[1]。